2008年12月16日

宮川幸久『入試英文法93の盲点』の凄さを知る

風呂の中で読む手頃な本はないものかと床を探ってみると、宮川幸久『入試英文法93の盲点』(研究社、1991年)が転がっていたので読んでみた。いつ買ったのかは覚えていないが、ブックオフの105円の値札が付いている。

一読してその内容の濃さに驚愕した。これは絶品だ。さっそくamazonで調べるとすでに絶版書になっていて、2500円のプレミアが付いている。

宮川さんの代表作『ターゲット英単語』は大学受験生で知らぬ者は一人もいないだろう。前にも話題にしたことがあったような気がするが、私が高校生の頃は『試験にでる英単語』から『ターゲット英単語』への過渡期で、自分自身この単語帳には大いにお世話になった。残念ながら今年鬼籍に入ってしまわれた。こんなすごい本を出していたとは全く迂闊だった。

ちなみに「93の盲点」という中途半端な数字になっているのは、森一郎さんの『試験にでる英文法 合格を実証した135の急所・94の盲点』を意識してのことかもしれない。

試しに盲点1「アルファベットはABCか?」を紹介しよう。

中学1年生の英語の教科書の多くは、アルファベットを教えるための補助として、"The ABC Song" を載せているが、ディズニー童謡集(カセット)の中にも同じ歌があって、その最後の節に

      Now you've learned your ABC's.

という文句がある。この ABC's の 's は何かというと、名詞の複数の -s で、記号や数字の複数の場合には 1990's のように 's を使うことが多い。(単に 1990s のように -s だけをつけることもある)。

ところで「ABCの歌」の "ABC's" とは「アルファベット」のことであるが、なぜ複数形になるのだろうと疑問に思われる人も多いと思う。実は「アルファベット」26文字全体を表すのに、最初の3文字である ABC で代表させていて、複数の語尾 -s はその他の23文字をさしているのである。

一般に名詞の複数は同じ名前で呼ばれているものの集まりを表し、たとえば three cats は

      a cat + a cat + a cat

ということであるが、 ABC's や 1990's は

     A + B + C + D + E + … + Z
     1990 + 1991 + … + 1999

というように、少しずつ違うものの集まりを表している。(中略)

大学入試でこういう複数形の用法を問う出題がされたことはないが、英文解釈問題ではよく見かけるので、一応は頭に入れておいたほうがよい。(pp.2-3)

最初からこの調子で93の盲点が紹介されている。amazonの2500円は歯がゆいほどにお買い得だ。


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