2008年10月31日

人工に膾炙せず

バターは作るのが難しいのかと思っていたが、けっこう簡単に手作りできることを知り驚く。ただし本気で作る際には一時間ほどビンをシェイクし続ける必要があるようなので、翌日筋肉痛になるのを厭わない人向けである。

化学を勉強してありがたみを感じたのは、マーガリンの製法を知ったときだった。マーガリンは有機化学でいう「硬化油」を味付けしたもので、硬化油は不飽和脂肪酸(二重結合や三重結合を持つ有機化合物の一種)にニッケルを触媒として水素を付加させて製造する。その人工的製法が気味悪くて、以来マーガリンは極力口にするのを避けてきた。

近年では医学的な見地からもマーガリンの危険性が取りざたされている。やはり不飽和脂肪酸を硬化油へと改質する過程に問題があるらしく、そこで天然にはほとんど存在しない「トランス脂肪酸」が多く生成されてしまう(天然の不飽和脂肪酸はほとんどがシス型である)。トランス脂肪酸は心臓疾患のリスクを高め、脳の認知機能にも悪影響を及ぼす可能性があるという。

私が幼い頃は動物油由来のバターより植物油由来のマーガリンの方が身体によいと言われていたのだが、世の中の基準とはなんとも脆いものだ。



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